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奴隷メイドオークション ~正しいメイドの育て方~ 改訂版
第9章 亜里沙の事情
それまで、亜里沙ちゃんが過酷な生活だったのがよく分かる。それと同時に、自分が恵まれすぎていたのを当たり前だと思っていたのを反省した。
「掃除もしてくれるしー。洗濯もー。欲しいって言えば、お菓子も届いたしー。あっ、今の生活と同じですねー」
オークション待ちのロリータは待遇がいいと奈々ちゃんから聞いたが、亜里沙ちゃんも同じ。オークションまでは、亜里沙ちゃんにとって楽しい時間を過ごせたのかもしれない。
「でもー。裸でステージに立ったのは、恥ずかしかったですー」
「全裸、だったの?」
亜里沙ちゃんが頷く。
「5人みんな、裸でしたー」
私の時、全裸なのは処女ではない子だと聞いた。ロリータ全員が、処女じゃないなんてあり得ない。亜里沙ちゃんだって、今までの話からして処女だっただろう。
その事を亜里沙ちゃんに話すと、「えー!」と、不満そうに言った。
「ズルイー。裸で、脚を開いたりさせられましたー」
やはりそのオークションによって、やり方が違うのだろう。私は目を覚ましたらオークションだったが、あんな部屋に長く住むなんて厳しい。奈々ちゃんも言っていたが、綺麗な部屋に暮らせたのはロリータだからだ。
「でもー。ご主人様が4億5000万円で買ってくれましたー。奈々と一緒にー」
奈々ちゃんも、同じ金額を言っていた。合計9億円。次男はそんな金額をどうやって稼いでいるのだろう。そっちの方も気になってしまった。
「返すのは大変だけどー、お母さんに半分渡せて良かったですー。恩、返し? が出来たみたいでー」
たった12歳の亜里沙ちゃんが、自分で決めてここに来たなんて。母親の為とは言え、その大好きな母親と離れるのもつらかっただろう。
「まだずーと先だけどー、ここを出たら、すぐお母さんに会いたいですー」
亜里沙ちゃんは、ニッコリと笑って見せた。
いる年数は違うが、亜里沙ちゃんは一所懸命働こうと誓っているように思える。私も、泣き言ばかり考えている立場ではない。
もっと強くならなくては。
「ごめんなさーい。長くなっちゃってー。もう行きますねー」
亜里沙ちゃんがドアの前に立ち、笑顔で手を振る。振り返すと、「お邪魔しましたー」と頭を下げて出て行く。