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奴隷メイドオークション ~正しいメイドの育て方~ 改訂版
第9章  亜里沙の事情


 だから、キッズポルノ。だがそれは、違法なはず。18歳以上でないと、そういったDVDに出演してはいけない法律がある。
「綺麗な部屋のベッドで、子供がセックスしててー。亜里沙は、裏に連れて行かれましたー」
「亜里沙ちゃん、出演したの?」
 大きく首を振った亜里沙ちゃんが、少し笑顔を見せた。
「雰囲気が怖くてー。裏の部屋には5、6人女の子がいて、あのダンユウよりこの前の人の方が良かったとかー。そんなのは、イヤでしたー」
「DVDって、販売されるんでしょう?」
 そうでなければ、撮影をする意味がない。
「はい。ウラDVDとかってー。でもー……、顔も映っちゃうからー。それもイヤだって言いましたー」
 確かに顔が映ってしまえば、知り合いに気付かれる可能性もある。それに、その映像は一生消えない。小学生の亜里沙ちゃんが出演しなくて正解だと思った。
「次に紹介されたのがー、オークションでしたー」
 黒服の男達は、オークション専用に動いているわけではないようだ。オークションのスタッフなら、すぐにオークションを紹介するだろう。
 昔で言う、人買い、なのだろうか。
「ちゃんと説明を聞いてー、オークションに出ることにしましたー」
「自分だけで、決めたの?」
「はい」
 亜里沙ちゃんが、真っ直ぐに私を見る。
「お母さんはずっと頑張って、亜里沙を育ててくれましたー。だからたくさんお金があれば、楽になれると思ったからー」
 健気を通り越した行動。
「お母さんは、止めなかったの?」
「お母さんには内緒で、家を出ましたー。男の人達が、後の事は絶対ちゃんとするって、約束してくれたからー」
 殆ど家に戻らないとは言え、お金を渡しに来たり、施設まで引き取りに行くような母親。亜里沙ちゃんをどうでもいいとは思ってはいないはず。
 亜里沙ちゃんがオークションに出る事で、亜里沙ちゃんは勿論。お金が入っても、母親だって心を痛めているだろう。
「一ヶ月くらい可愛い部屋にいたんですけどー、ご飯が運ばれてくるんですー。それも、毎日3回。その時は、それだけで、驚きましたー」
 私は涙を堪えた。毎日3食など、当たり前の事。

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