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奴隷メイドオークション ~正しいメイドの育て方~ 改訂版
第14章 ご主人様の外泊
「えー。奈々とぉ、亜里沙さんがですかぁ?」
その声だけが聞こえ、ご主人様が自分の口に人差し指を当てる。その先は、何を話しているか聞こえない。分かるのは、たまに奈々ちゃんが、「はい」や「分かりました」と頷いていることだけ。
私は何故か不安だった。
専用メイドの私以外との、内緒話。奈々ちゃんのご主人様は知っているのだろうか。
乱交の時でさえ、他のメイドには意識して触らない決まり。そんな掟の中での行動に、何故か胸騒ぎがする。
少ししてお辞儀をした奈々ちゃんが、個室の方へ戻って行く。
ご主人様が階段の方へ来たから、私は奥のランドリー室に隠れた。
◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆ ◆◇◆
翌日も朝食中に、ご主人様に呼び出されない。この一週間殆ど毎回呼び出しがあったから、椅子での待機に違和感がある。それに、明日の昼食は摂らずにご主人様はどこかへ出掛けるそうだ。その間、私は個室での待機だと言われた。
奈々ちゃんに昨夜の内緒話について訊きたかったが、2人切りでない今は訊きづらい。それに月曜に冗談っぽく言っていた通り、ご主人様は本当に土曜まで何もしないつもりなのだろうか。考えていた時に肩を叩かれて、驚いてしまった。
「え? 何? 奈々ちゃん……」
奈々ちゃんから、昨夜のことについて話してくれるのかと期待してしまう。
「あのねぇ。奈々のご主人様がぁ、美桜さんに頼みがあるそうですぅ」
「私に?」
昨夜は私のご主人様が奈々ちゃんと話し、今日は次男が私に何の頼みがあるのか見当もつかない。他の専用メイドに手を出さないのが、この屋敷でのルール。
「はい。この後、まずはぁ、美桜さんのご主人様のお部屋に行ってくださいねぇ」
意味が分からないながら片付けを終え、ご主人様の部屋へ行く。
「兄貴からの頼みなんだ。乱交に混ざれなかったから、美桜に見に来て欲しいって」
「えっ?」
「明日のメイドの昼食後、兄貴が奈々とヤるから。部屋で、離れて見てるだけ。美桜には、奈々も絶対触れない約束だから」
ご主人様の真剣な言葉を聞き、私は頷いた。
「美桜には勉強にもなるけど、適当な所で出てきていいから。僕はオークションに行った後一泊するから、明日と明後日はいないんだ。あっ、そう事だから」
スマホが鳴りだし、ご主人様が慌てて出る。