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ロリちゃん作品集 (一章読み切り式)
第6章  ロリ全開!

「んー。まあ、ここではお兄ちゃんで。ほら、二人の好きな物、頼んでいいから」
 何となく話をごまかす方向に。
「えー。ありがとうー。沙希、フルーツ食べたいなぁー」
 沙希が上目遣いに俺を見る。
「いいよ。他には?」
 フルーツ盛り合わせはこういう場所のメイン。大したものも入ってないのにやたら豪華な盛り付けで、金額も高くて売り上げになるんだろう。
 でも、ここのは50円だ。安い方かもしれない。
「お酒呑めないから、結菜もオレンジジュースでいいよねー」
 結菜が頷く。
 沙希がいくつか決めてから、結菜にメニューを渡した。
 結菜は、さっきから何も話さない。
「どうしたの? 結菜ちゃんも、好きなのいくつでも頼んでいいんだよ?」
「はい……」
「お兄ちゃん。結菜はねー、昨日まで見習いだったの。まだ慣れてないからー、許してあげて?」
 昨日まで見習い? それを聞いて、俺の心は結菜に決まった。だが、今沙希を帰らせるのももったいない。暫くはこのままでいいだろう。
 結菜が注文を決めると、沙希が黒服を呼んで注文する。あっという間に、テーブルはいっぱいになってしまった。
 沙希が作った水割りを呑んでいると、沙希に肩を叩かれる。
「はい、お兄ちゃん。あーん」
 沙希が楊枝で刺した果物を口元に持って来た。見た事がない果物だったが、美味しい。
 それ以上に、ロリちゃんからの「あーん」なんて幸せだ。
 そう言えば。俺は思い出して口を開いた。
「VIPルームって、二人を連れて行けるの?」
「勿論! 沙希、行きたーい」
 嬉しそうな沙希に手配を頼み、3人でVIPルームに移動することにした。


 VIPルームは広くて豪華だが、フリルとレースがあるのは変わらない。壁や床、ソファーまで淡いピンク色。奥の壁には、天使が描かれた縦長の大きな絵画がいくつか飾られている。
「結菜ちゃんも、好きな物食べなよ」
「はい……」
 結菜は何だか緊張している様子。
 ここには他へ繋がるドアも無いし、勿論部屋にベッドなんか無い。
「ねぇ、お兄ちゃん。追加注文していい?」
 沙希に言われて頷いた。壁にはカラオケボックスのような内線電話がついている。

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