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第10章 君に触れたくて堪らない

（予想はしていたが面倒だな・・）



休暇最終日、突然の呼び出しに外出を余儀なくされる。



実咲と再会する前に肉体関係を結んでいた女の一人が納得出来ないとごね始めた。



互いに恋愛感情は抱かなそうな相手を選んでいたつもりだが、色のついた声色に距離を置こう、そう思っていた矢先に実咲と再会をした。



それを機に、メッセージで、時には対面で関係の終わりを告げ、4人いたうちの3人は呆気なくその関係が清算された。



しかし、沙織だけは納得せずに何度も着信を残し、メッセージを入れてきた。



無視をしていれば数日で諦めるだろう、そう思っていたが沙織は職場で待ち伏せをするなどしてきた為、納得するまで説得するしかなくなった。



全ては実咲に知られたくない、そんな思いからだった。



こんなふしだらな生活を送っていたのだと知れたら、せっかく傾いてきた実咲の想いも泡のように消えてしまう。それが一番怖かった。



「今すぐ来たら別れてあげる」

沙織のその言葉に従う以外に近道を見つけられなかった。