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君を孕ませたい
第3章 早く好きになれば良いのに
「・・・ん・・」



早朝の朝日の眩しさに目を覚ます。



寝起きのだるさの残る体で寝返りを打ち、手応えのないその左側にはっと飛び起きる。



すぐ横に寝ていた筈の実咲の姿がそこにない事に気付き急いで実咲の部屋へと向かう。



(しまった・・まさか朝まで寝てしまうなんて)

ほんの少しうたた寝をし、実咲より先に起きるつもりでいた。



がちゃり、と勢いよく部屋の扉を開け中を確認するが実咲の姿が見当たらない。



逃げられたかもしれない・・・

焦る気持ちを抑えきれず階段を駆け下りリビングへと向かう。



「休暇中は服は着させない、外にも出さない」
そうは告げたが物理的に拘束をしているわけではない。
服を隠したわけでも、内鍵をかけ出られなくしているわけでもない。出て行こうと思えば隙を見て出て行く事は出来るのだ。



祈るような気持ちでリビングの扉を開けるがそこに実咲の姿は見当たらなかった。



(実咲・・・)

周囲を捜そうとリビングを出ようとした所、浴室から微かにぱしゃん、と水音がした。



急いで駆け寄り浴室の扉を勢いよく開ける。



「きゃっ・・あ、つばささん・・」

湯船に浸かった実咲が目を丸くさせ驚いた表情を浮かべる。



「実咲・・っ」

安堵し、湯船に浸かっている実咲の腕を引き寄せ抱きしめる。



「出て行ったのかと思った」

ぎゅっと力を込めその華奢な体に抱きつく。



「え・・?出て行ったりなんてしません」

きょとんとした表情でこちらを見つめる。



「焦った・・起きたらいないから・・」

洗いたての濡れた髪を指に絡め温かな体を更に引き寄せる。



「ごめんなさい。体・・ベトベトで気持ち悪かったから・・」



「そっか・・これからは起こして良いから勝手にいなくならないで」

頭に唇を寄せ、じっと瞳を見つめる。



「あ、は、はいっ、ごめんなさい・・っ」

戸惑いながらも頷き返してくれる。



一旦体を引き離し素早く体を洗い、共にざぶんと浴槽に浸かる。






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