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萌のお姉ちゃん
第1章 家に彼が来た~姉妹と同棲
お姉ちゃんの子供は、

ホウジョウキタイという、卵子レベルの病気で、諦めるしかなかった。

お兄ちゃんも残念がった。

でも、自分の暴力のせいじゃないことで、暴力を正当化していた。

萌は、お姉ちゃんに、警察に相談にいくようにいった。

お姉ちゃんは、今回のことでなにも考えることのできないマネキンと化していた。

お兄ちゃんを受け入れることで、また赤ちゃんがほしいと思っていた。

この病気は一年間の避妊が必要で、それをお兄ちゃんが納得してくれるかが、問題だった。

お姉ちゃんはお兄ちゃんを連れだって医者に行き、説明を受けた。

帰り、医者の前ではわかりました。といっていたくせに、


「お前なあ、まるで俺がセックスマシーンみたいだったじゃねえか!

なにがホウジョウキタイじゃ、俺のせいにすんな!」

といって、脇腹を蹴った。

お姉ちゃんは警察にはいかず、病院と市役所へと向かった。

次の日、いつものセックスのあとに、紙を出した。
離婚届だった。

アザを見せながら、


『警察いきますか?それとも離婚しますか?』

と静かにいった。

それだけ追い詰められた判断だった。

アザのない日がないくらい力でねじ伏せられ、借金までさせられた。

お父さんから借りた200万だけは、こつこつでいいから返してほしいといった。

究極の選択

警察か。
離婚か。

お兄ちゃんは離婚届に判を押した。
その夜、夫婦で連れだってお父さんに、
離婚することと、養子縁組を解くこと、
借金は必ず返すことを約束した。

ほんとうによかった。残念だけど、そもそも、養子縁組目当てでだまされていたんだ。

30歳前、早いうちの決断で、よかったと思う。
ただ、萌もお兄ちゃんに会えなくなる。


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