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第11章 ☆波乱のデート 彩七編☆

「私は優人の姉の冴田凛。よろしくね彩七ちゃん」
「お姉さん！？」
驚きのあまり、つい大きな声を出してしまった。
だって優さんから家族についての話はまだ聞いてなかったから。

「優人って無愛想でしょ？”優しい人”って書くのにこんなヤツだから昔から”名前負け”なんて言われててさ」
凛さんが私のところに来た優さんの肩をバシバシ叩きながら話してくれる。
「凛、帰れ」
「お姉様に対して”帰れ”は、ないでしょ」
「うるさいな、三十路が」
「失礼ね！私まだ29なんだけど!!」
「お前こそ名前負けだろ」
こんなムキになる優さん、初めて。
また1つ優さんの事を知ることができたな。

…って今はこんな事考えてる場合じゃない！
ケンカを止めなきゃ。
近所迷惑になっちゃう。

「あの」
声をかけると、ピタッとケンカが止まった。
「ごめんね、うるさくしちゃって」
「いえ」
「私、彩七ちゃんと話してみたいんだけど」
「え？私と？」
「優人とのこといろいろ聞かせて」
「だから彩七が…」
優さんの言葉を遮って凛さんが続ける。
「彩七ちゃんイヤ？」
「えっ、あ、そう言うわけじゃ…」
「だったら決まりね！さっ、座って、座って」
「は、はい…」
半ば強引に？ソファーに座るよう促される。
「優人ー！コーヒーよろしくー！」
向かいに座った凛さんが優さんに指示を出す。
優さん、凛さんには勝てないみたい。