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第16章 ☆ごあいさつ 優人編☆

「いらっしゃい慧くん、いきなり大声出しちゃってどうしたの？」
キッチンから顔を出した母親が慧を見る。
「叔母さん、彩七に彼がいるって…」
青ざめた表情の慧。
「そうなのよ、私達もさっきお会いしたばかりなの。カッコイイよね〜」
「オレは彩七と結婚するつもりだったのに」
「私もそう思ってたからびっくりしちゃった」
似た者同士の2人だな。
オレは黙って事態が収まるのを待つ。

「冴田さん、あなたに勝負を挑む!!!!」
慧が真っ直ぐオレを見る。
「勝負！？」
彩七達はびっくりしてる。
「あなたに彩七は渡さない」
「オレも彩七を手放す気は一切ない」
「彩七、目を覚ませ！こんな無愛想なヤツ彩七には似合わない」
慧が彩七の肩を揺する。
「人の家ででかい声出す非常識な人間も彩七には似合わないな」
オレは冷静に対応。

「彩七を巡る恋のバトルね」
嬉しそうな表情してる母親。
「まぁ、2人とも。ここは一旦休止して母さん達が作ってくれた料理を食べよう」
父親が仲裁に入る。
「そうだよ。せっかくのから揚げが冷めちゃう」
彩七はオレ。
母親は慧の背中を押した。