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アイドルたちの放課後
第6章 ベッドの上で
男性は困った表情になった。

「誰って言われてもなぁ、今日始めて会ったばっかだし」
男性はちょっと意外な質問をされて返答に困ったようだ。

(私のことを知らないの?そんなことはない。とぼけてるフリ?)
彼女は疑心暗鬼になりながら質問をしてみた。

「あのー私の顔って見たことないです?」
キョトンとした顔で男性は答えた。
「んー可愛いとおもうけどさ、知り合いじゃないと思うよ」
男性は本当に彼女を知らないようだ。

男性との話の中で幾つかわかったことがあった。
テレビはほとんど見ない。
田舎から出稼ぎで来ていて遊ぶ暇など無い。
だからトップアイドルの彼女の存在自体を知らなかったのだ。

「会社で何があったのか知らないけどさ、飲み過ぎは良くないよ」
そんな優しい言葉とは裏腹に、彼女はちょっとびっくりした。
(私を知らない人が日本にいるなんて・・・)

「えーと、もしかしたら私のお会計も?」
男性は頷く。
「すいません、すいませんいくらだったんでしょうか?」
「いや良いよ、可愛い寝顔見せてもらったし」
「ちゃんと払います!」
彼女は真っ赤になりながら精一杯の声を出した。

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