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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第11章 満月~あなたのいない世界~

けれど―。来なければ良かったと思ったのも真実だった。賢はあろうことか、ホン内官の墓詣でをするために宮殿を出たのだ。墓の場所が二人の暮らしていた村からは遠く離れれていることから考えて、ここにホン内官の骸が埋められている可能性は極めて低い。
大体、王は怒りと嫉妬に任せて殺すように命じたあの宦官の亡骸のことなど、これまで考えたこともなかった。しかし、賢が墓参りをするほどだから、何かあの男にゆかりの品がここに納められているのは明白だ。
大体、王は怒りと嫉妬に任せて殺すように命じたあの宦官の亡骸のことなど、これまで考えたこともなかった。しかし、賢が墓参りをするほどだから、何かあの男にゆかりの品がここに納められているのは明白だ。

