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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第12章 愛の代償
刺客は明らかに躊躇いを見せていた。よく訓練された玄人(プロ)の刺客ともなれば、主命は絶対だ。恐らく王妃暗殺を命じた許誠全は王妃は殺しても王は殺すなと釘を刺しているのだ。
王はこの時、確信した。許誠全は何も私利私欲で動く奸臣ではない。むしろ高麗を思い、長らく、この国を支配してきた元を憎んでいるのだ。彼の目的は高麗を元国の支配から解き放ち、独立国としての威信を取り戻すことにある。誠全の中に国王暗殺という選択肢はないのは最初から判っていた。
王はこの時、確信した。許誠全は何も私利私欲で動く奸臣ではない。むしろ高麗を思い、長らく、この国を支配してきた元を憎んでいるのだ。彼の目的は高麗を元国の支配から解き放ち、独立国としての威信を取り戻すことにある。誠全の中に国王暗殺という選択肢はないのは最初から判っていた。