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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第15章 第四話【雪の華舞う、その夜に】
 もしかしたら、この時、いや、出逢ったその瞬間から、私は既に王太子殿下に恋をしていたのかもしれない。けして実ることない、恋。やがてこの国の王となるべき高貴な御身に許されない恋をしてしまったのだろう。


「お勤め、ご苦労さまです」




 私は年嵩の内官に辞儀を返し、しばらく休憩すると告げて長い廊下を歩いて東宮殿を出た。戻ってきたら、この内官二人と共に朝まで不寝番につくつもりだ。
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