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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第3章 運命の瞬間

ジュチは自らの袖口を引き裂き、賢の傷ついた手のひらに巻き付けながら囁いた。
「邸下、私がここに来られるように計らってくれた重臣の言葉を今一度、よくよく思い出して下さい。今は動かず、刻を待ちましょう。ご英明で優しいお心をお持ちの邸下を慕う臣下は他にも大勢います。そして何より、邸下こそがこの高麗の正当なる王位継承者であらせられます。奸臣どもやそれに擁立された陽寧君をいずれ倒し国王殿下のご無念を晴らすそのときまでは、邸下は何としてでも生き延びねばなりません」
「邸下、私がここに来られるように計らってくれた重臣の言葉を今一度、よくよく思い出して下さい。今は動かず、刻を待ちましょう。ご英明で優しいお心をお持ちの邸下を慕う臣下は他にも大勢います。そして何より、邸下こそがこの高麗の正当なる王位継承者であらせられます。奸臣どもやそれに擁立された陽寧君をいずれ倒し国王殿下のご無念を晴らすそのときまでは、邸下は何としてでも生き延びねばなりません」

