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第20章 恋情～切なくて逢いたくて～

　チリーン、チリーン。



　どこかで澄んだ音が響く。ジュチはその音にハッとして顔を上げた。





　もう、どれくらいの間、ここで泣いていたのだろう。ただ、あの屋敷から離れたくて夢中で飛び出した。実家に帰ることも考えたけれど、今更、のこのこと戻ることはできない。両親は血の繋がりのないジュチを実の娘同様に慈しみ育ててくれた。