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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第23章 落城の夜
そのような危険を冒してまで夏陽国を攻めようとする者がいなかったというのが実情なのだ。ところが、夏陽国にもただ一つ、誇れる名産があった。絹織物である。
優れた織り子が織り上げた絹布は高価な玉の指輪と引き替えにしてもまだ足りないといわれるほどの高値が付けられた。光り輝く虹色の糸を織り込んで織り上げる独特の手法により、布そのものが宝石のような燦めきを放ち、その布で仕立てた衣を纏えば、纏った女性そのものが光り輝いて見える―といわれるほどだ。
優れた織り子が織り上げた絹布は高価な玉の指輪と引き替えにしてもまだ足りないといわれるほどの高値が付けられた。光り輝く虹色の糸を織り込んで織り上げる独特の手法により、布そのものが宝石のような燦めきを放ち、その布で仕立てた衣を纏えば、纏った女性そのものが光り輝いて見える―といわれるほどだ。