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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第23章 落城の夜
元皇帝はどうやら、その夏陽特産の絹布について興味を持ったらしい。というのも、彼の寵愛する妃の一人が夏陽国の絹布のことを噂に聞き、是非、眼にしてみたいものだとせがんだ。そのため、皇帝は夏陽国に来たことのある商人を呼び、訊ねたのだ。
商人は夏陽国について様々なことを皇帝に語って聞かせた。皇帝が大いに関心を寄せたのは、実は光り輝く布ではなく、その布の美しさも色褪せるというほどの美貌を持つ王の一人娘フィメリアだった。