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第23章 落城の夜

　夜が明ければまた一人で、これから長い砂漠を渡る旅が続く。この機会に髪も洗っておきたいと思い、後頭部で結い上げていた髪を解き、髪も丁寧に洗った。存分に水の冷たさを愉しんだ後、オアシスから上がると、流石に寒さに身体が震えた。





　砂漠の気候は苛酷だ。昼は熱砂のごとく燃えるが、夜はかなり冷え込む。早く身体を拭いて服を着なければ凍えてしまう。焦ったその時、パキリと枯れ枝を踏む音がして、フィメリアは硬直した。