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第5章 優しい日々

　次の瞬間、賢の唇は熱く、しっとりとした彼の唇に覆われていた。今度の口づけは先ほどに比べると、随分と烈しかった。角度を変えて幾度も口づけられ、少し息苦しくなってくる。空気を求めてわずかに口を開けば、その隙間から何かが差し込まれた。







　その何かが賢の舌を絡め取り、烈しく吸い上げる。歯列や口内を自在にうごめくそれがジュチの舌だと判ったのは、長い口づけに半ば意識が朦朧としてきた頃だ。