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秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
第6章 二人だけの祝言と涙の別離
 想いに耽っている中に、手許の釣り竿が強く引っ張られた。時機を見計らって引くと、結構な大物が掛かった。よく太った鮎だ。


「美味しそう。ジュチが悦んでくれるかな」





 魚籠を見やると、もう底が見えないほどだ。これだけ釣れば良いだろうと釣り竿を持ち、魚籠を下げた。ふと一面に群れ咲く木春菊に眼を止める。
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