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さらに近くてもっと甘い
第8章 ドジっ子同盟とお引っ越し


──────────…



有川商事食堂。


額に絆創膏を貼っている社員が2名───




幸太郎は、頬を掻きながら、ジッと見つめてくる上司に、チラと視線を送った。


メガネを割ってしまったせいで表情がよく見えない。


が、さっきから穴が空くほど見られている……気がする。




「何がいい⁉︎ 原澤くん!!」


「えっ………」


「何でも奢るよ! えっとね、オススメはね、オムライスかな!」



人が良いらしい。


いつもヘマをしてばかりで周りからきつく当たられる幸太郎は、加奈子の親切な対応に胸を熱くする。


が……



「オムライスは……ちょっと…」



「え?嫌い?」




オムライスが嫌いな人なんかいるんだ…


と加奈子は驚きながら幸太郎に身を乗り出した。



「いや……好きなんですけど、服汚しちゃいそうなんで……」



へへ……と笑った幸太郎に加奈子はさらに顔をキラキラとさせて思わず幸太郎の手を両手で掴んだ。


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