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さらに近くてもっと甘い
第9章 プール大会?

「そうだね。かっこ悪いところを見せてごめん」


そう言いながら濡れた顔をタオルで拭いている要を見て、加奈子はほんのりと顔を染める。



「……い、いつも…かっこよすぎますから……たまにはいいと思いますけどっ……」



と、いうか、行動が少し大人気なかったとしても、今のずぶ濡れスーツ姿だって色気がやばくてどうしていいか分からないしっ……


そんな事を心で呟きながら、加奈子はさらに速まる自身の鼓動を感じていた。



「ありがとう……」



蝉の声が聞こえている。


愛らしい加奈子に、思わず顔を近付けた要だったが、視線を感じてハッとした。


ポーッとしながらこちらを見つめている小さな少年ギャラリー。


お手本に……か…。



ハハと笑った要は、頭をかいた後、ジッと見つめてくる加奈子の耳元に近付く。

今度は転ばぬように、予め、加奈子の腕をしっかりと掴む。




「続きは今夜ね……」


「つ、続きってっ…」



何のっ……!?!?



「ほらほら、また僕をプールに落とさないで」


「すすすすみませんっ……」



案の定再び動揺して転びそうになった加奈子だが、要のお蔭でそれは免れた。


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