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愛しい記憶
第3章 亡霊


俺の頬に触れている彼女の手を掴んだ。



「名前は───…」



「………っ」




「君の……君の名前は…」




知りたい。



どうしても。



この一目惚れにも似た感覚は一体──




つぶらな瞳から流れた涙。


それが頬を伝って、口元のホクロに流れる。



そして小さな唇がゆっくりと開いた。




「マミ……───」



マミ……



「私の名前はマミ……」








違和感なくその名前が体の中に入り込む。



そして確信した。





俺は、彼女のことを知っている───


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