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愛しい記憶
第5章 愛しい記憶
「友也……」
「っ………」
聞こえて来た声に顔を上げた。
浮かない顔で、立て膝をついている俺に手を伸ばして、髪の毛に触れている。
会えた…
また、目の前に現れてくれた…──
「途中だったのに、帰って来ちゃったの?」
「マミ……」
「もしかして、私のせい……?」
嬉しいのか、悲しいのか、よく分からない表情をしたマミの腕を掴む。
相変わらず冷たい。
でも、そんなことはどうでもいい。
儚いその腕をじっと見つめて、そして俺は彼女の手に平にそっと口付けた。
「マミ………」
立ち上がって、彼女の両肩を掴む。
触れられる。
それだけで充分だ───