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愛されたいから…
第2章 イルマの思い
俺が真面目に頼み事を言う時は必ず真面目に俺の頼みを聞いてくれる女、俺の幼なじみの羽鳥 律子だ。

通称リッちゃん…、リッちゃんは真面目な俺に対して合わせるように真面目になり

『わかった。今からそっちに行けばいい?』

とやはり言ってくれていた。俺はそんなリッちゃんに

『ありがとう、頼むね。』

と言ってから電話を切っていた。パンチラとか胸ポロとかそんなエロいモデルをリッちゃんが納得してやってくれるかはさすがに俺も不安ではあるのだが、俺がまだ美大生の時に裸婦の課題でリッちゃんに高級ブランドバッグを買う事を条件に全裸のモデルをやってもらったという経験が既にあるのも事実だ。

父親が大会社の社長さんをやっている本物のお嬢様なリッちゃんは短大学を卒業した後は女の子は家事手伝いで充分だとか両親から言われ、俺とは時々、俺のアシスタントをして自分のお小遣いだけを稼ぎに来る程度の関係だった。

元々、自宅が隣同士だったのと、うちのお袋とリッちゃんの母親が学生時代の同級生って間柄から俺のところにリッちゃんが泊まったりする分には俺は男としては割りと信用されている。

実際、お互いの親には例のモデルの件はリッちゃんは秘密にしてくれてるが俺がリッちゃんに変な手出しをしていないのは事実の話しだ。

俺よりも1ヶ月だけ後に生まれたリッちゃんは赤ん坊の時から俺とずっと一緒に居てくれる俺の数少ない友達であり、俺には妹のような存在の可愛いリッちゃんだった。

『リッちゃんが今回もモデルを引き受けてくれると助かるんだけどな…。』

そんな独り言を言いながらリッちゃんを待つ事にした俺はとにかく南郷さんから引き受けたこの仕事の続きを始める為に再び仕事部屋に籠る事にした。
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