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八重の思いー私を愛した2人の彼氏
第4章 千弥と蓮

いつもの会社へ行く通り道、二人から告白された時は満開だった桜は、今はもう散り終わりそう。一番大好きなシーズンなのに、桜を楽しむ余裕すら無く終わるのは、ちょっと寂しい。

(だいぶ頭が冷えたかな?)

バスに乗った時は、まだドキドキしていた私の心も、通勤途中の桜を見て落ち着いたみたい。朝からあの迫力はね、私でなくとも慌てるから、うん絶対に。

心の落ち着きと共に会社に到着。仕事はやっぱりマーケティング集計、ここで先程の話が頭を過る。

(もし、もし、蓮さんと一緒に仕事をしたら、私は延びるのかな?)

自信と言われれば微妙と答えるしかないけれど、慣れていけば上手く出来るようになるの? 蓮さんのように自信に溢れるようになれるのかな?

(今はまだ分からない)

この1年で言えば、頑張って資格を取ったに過ぎない私の経験値じゃあ、蓮さん……うんん、陸さんだとしても雲泥の差があると理解はしているの。

(どうして、こんな時は消極的なのかな私)

ずっとそう。大切な時に消極的になってしまう私の性格。高校も大学も、あまり目立つこともなく無難に卒業し、今の会社だって滑り込みで入社出来たくらい、積極性とは程遠い性格だよね。だからかな、受け仕事を貰えないのは。

陸さんのような性格にはなれない、蓮さんのような自信はない、とても中途半端な私の立ち位置。今まではそれで良いと思っていたけど、二人を見ていると違うとも思えて来るのが不思議。

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