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一秒に見えた世界
第19章 だって…忙しいんだもん
実際の話し、先週の買い出しも由良は荷物持ちの為に私を選んだのだ。私は後で美奈は何もしなかったとか言われたくないから買い出しくらい適当にやればいいやと思って由良に付き合ったのだ。

私は空に

『私だって嫌な事は嫌だとくらい言えるよ。』

と言って子供みたいにふくれていた。空はずっと母親みたいに私を撫でてくれた。

昼からは空と里美のクラスを手伝いに行った。別に手伝う必要はなかったけれど里美のクラスは外の模擬店だったから、ただたんに私達は里美と遊びたかっただけだ。

里美は私に

『優誠さんが来るの?ならうちのたこ焼き20個くらい買ってって言っておいてね。』

と私に言う。20個とは10個入パック20個が里美の売り上げのノルマだからだ。里美のクラスは個人個人のノルマを決めて売りさばくという戦略だった。

つまり優誠だけで自分のノルマを終わらせようとするちゃっかり者の里美だ。私は笑いながら

『そんなに1人で食べられるわけがないじゃん。』

と里美や空とキャーキャーと言いながらその日の午後を過ごした。明日からは学祭だから皆がそうやって浮かれていた。

まずは土曜日の学祭。お昼の時間は目が回るくらいに忙しかった。空が作るオムライスはすぐに評判になってかなりのお客さんが並んでくれた。

だから私は空の隣でずっと卵を割り続けた。学祭の初日が終わって帰る時には

『もう卵は見たくないよ。』

と私は叫んだ。空が明日は日曜日だからもっと凄い事になるよと言って笑った。

日曜日は本当に空の言う通り朝からオムライスが注文されて出ていた。それでも多少は時間があったから私と空は今のうちにと里美の居るたこ焼き屋さんに行った。

土曜日は私と空は段取りに余裕が無くてお昼ご飯も食べれなかったからだ。だから今日はお昼ご飯に里美のノルマの為に絶対にたこ焼きを食べると2人で決めていた。

まだお昼には2時間ほどあったけれどあまりお客さんが増える前に私と空は再びメイド喫茶に戻らなければならない。里美がたこ焼きを焼いているのを私が待っていたら私の携帯が鳴った。その着信は優誠からだった。
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