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一秒に見えた世界
第5章 ふざけるな
そうでした…。優誠さんの言う通りです…。

そう思って私は思いっきり凹んでしまった。優誠はそんな私のおデコにチュッと軽くキスをしながら

『だからバイトなんかは必要がないし、どうしてもやりたいのならうちの会社でバイトしろ。』

と優誠が言ってくれた。

やったー!!空にはちょっと悪いけど、私の人生で初めてのアルバイトは優誠の会社だぁ…。

適当で世間を知らない私は単純に喜んだ。優誠が

『本当に子供みたいだな。お前って奴は。』

と言って思いっきり私を笑い飛ばした。

失礼な。私だってもうすぐ二十歳になるんだぞ。もう処女を失くした大人なんだぞ。

そう思って私は少しふてくされる。

『優誠がおじさん過ぎるんだよ。』

私は優誠に言い返してやった。優誠は

『お前、俺はまだ25だぞ。勝手におじさんとかにすんな。』

と私に言って来た。

嘘!?どう見てもその貫禄は30でしょ!?

と私が言う必要もなく優誠は

『また、変な勘違いしてやがるな。』

と私にデコピンを入れて来た。

『痛い。』

おデコを押さえた私に

『お前がくだらない事考えたら痛い目見せるって言ってあるだろ。』

と言って優誠はニヤリとする。

今夜は散々、痛い思いはしましたよ…

と言いたい私は優誠を睨みつけた。それから優誠に

『どうせ、私はこんな女ですよ。』

と私はいじけてみた。でも優誠がそんな私の頭を撫でながら

『お前、本当に覚えてないんだな。』

と少し悲しそうに言う。優誠にそういう顔とかされるとなんとなく罪悪感が私に生まれて来る。

『私が酔ってた時の話し?』

『去年の春だ。』

去年の春?誠に申し訳ないが私は今年の春の事すら覚えていません。

そんな事を考える私の耳を舐めながら優誠が

『去年の春に入学式前にお前は何していた?』

と囁いて来る。私はそういう時の優誠の声が気持ちいい。そしてぼんやりと私は考える。

去年の春…、そして入学式前…。

私は里美や空と短大の入学式の為に講堂に向かって走っていた。だって遅刻だったから…。

だけど講堂までが凄い満開の桜並木で私は思わず立ち止まって桜を見上げた。

その瞬間、勢いのある突風が私に桜の花びらを叩き付けて攻撃して来た。

『わぷっ。』

息が出来なくて私が目を閉じた時にすうっとその突風が止まってくれた。
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