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天の川 〜センセ、来年も会えるじゃろか? 
第1章 プロローグ
 佳純によると彼女が乗ったのは四号車のはずだ。

 四号車の乗客の最後に一六三センチの梨花よりも頭一つ分ほど長身で背中まであるストレートの髪の女性がいた。佳純の姿だ。
 
 :

 八歳歳上の佳純は梨花の近所に住んでおり、小学生から大学受験まで家庭教師をして貰った。モデルのように端麗な容姿と勉強もスポーツ出来る才色を備える彼女を知らない者はいなかった。
 
「梨花ちゃん、久しぶり……」

 背中まであったストレートの髪は落ち着きのある夜会巻きに変わっているが、大学生の頃と変わらない人懐っこい猫のような黒目がちの瞳は最後に会った時と全く変化がないように思えた。
 
 佳純は大手企業の社長秘書らしく、紺色のビジネススーツ姿にハイヒールの佳純が小猫のような丸い目を細めて白い歯を見せた。真珠のように白い頬にほんのりと赤みが指した。
 
 梨花は今年、二十九歳になるが佳純は三十六か三十七歳だ。七夕の夜、一夜だけの再会なので、九か十度目の七夕になる。
 
「センセ、久々じゃな」
 
 梨花は佳純に手を振った。
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