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永遠に見えた世界
第1章 クソ親父
俺が物心ついた時には既にそうだった。俺の周りには常に誰かしらの人がいてボンだ若だとそいつらに必ず声をかけられる。

自分の部屋から玄関までの僅かな距離だというのに

『ボン、どちらへ?』

『ボン、お車は?』

朝っぱらからうるせぇよ。俺はまだ学生なんだから行き先は当然学校ってわかっている話しをいちいち呼び止めて俺に聞くな。

俺はそいつらに向かってそう叫びたくなる毎日だ。

そんな俺にクソ親父は

『半人前のガキが、さっさと1人前になりやがれ。』

とかほざいて来る。うちの家業は暴力団。だから家で俺にガタガタと言って来る連中は当然クソ親父の子分だ舎弟だという連中だ。

お陰で学校じゃ俺の周りを彷徨く親父達を怖がって同業者の子供くらいしか俺には話しかけては来ない。

それでも俺は俺より格下の連中に暴力団の息子だからと馬鹿にされるのは絶対にお断りだと俺は学校の成績だけはトップを取る。

だけど学校の先生とやらはそんな俺に呆れている。

『水原は、それだけの成績で優秀なのになんでいつも周りに対してそういう態度なんだ?』

そして俺はそんなくだらない質問を俺にする先生に答えてやる。

『お前らみたいに適当に教師になった奴には俺の立場ってやつはわからねぇよ。』

やるのならとことんやれ。中途半端な気持ちならば始めっからするな。

それが俺の生まれ育った環境だ。

中学を出てからは公立だけどそれなりの進学校へ俺は行った。大学にだけは絶対に行くつもりで関関同立は余裕で行ける高校を俺は選んだのだ。

そんな道を選んだ瞬間、俺はクソ親父から

『お前、明日から光ちゃんの息子になるからな。この家から出て行け。』

と言われた。

ふざけるなクソ親父と当然俺はなる。そもそも光ちゃんとは親父の実の兄貴で、クソ親父とは違いかなり立派な財閥のトップで堅気という人だ。

だが所詮は未成年という立場の俺はその日から今までの水原 優誠ではなく御剣 優誠になった。

問題は御剣の本家は東京にある。

俺は高校に入ったばかりだぞ?

と俺が御剣の親父にそう言うと

『誠ちゃんならしっかりしてるから大丈夫だよね。』

と言った御剣の親父にいきなり独り者用のマンションの部屋の鍵を渡されて俺は高校に通いながら1人暮らしをする羽目になった。
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