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秘密のピアノレッスン
第12章 きよしこの夜
「おばあちゃま。ありがとう。また弾きに来てもいい?」
「もちろんよ。いつでもいらっしゃい。ここは、あなたの家よ」

ずっと、家の中で疎ましがられてきたのに……。
おばあちゃまの手が、温かくて私も泣けてしまう。

おばあちゃまの家に行くのは、母の許しがないと行けなかったから、最近は疎遠になっていたけれど――。
こんなに温かい人が、すぐそばにいたのに……。


夜は、客間で寝る。
昔、ここは私の部屋だったらしい。そんな面影はないけれど、私が色鉛筆で描いたピアノの絵がひとつだけ、壁に飾ってあった。
黒いグランドピアノと、女の子と、たぶん、佳苗先生。周りには音符やト音記号が散りばめられている。

いつ描いたかなんて覚えてない。ひらがなで名前が書いてあるけれど、さが逆だし……。
そんな昔に思いを馳せて、ひとりでふふっと微笑んだ。


あの母の支配する、殺伐とした鳥籠から出られないか――。
私は、自分の意思で、自由にはばたきたい。

そんな願いが胸の中に小さく芽生えていた。
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