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秘密のピアノレッスン
第12章 きよしこの夜
「今、これを習っているの?」

おばあちゃまの指先で、折り癖のついた愛の夢が開かれた。

「はい!」
「リストね。素敵だわ。じゃあ……お願い」

ちょうどミルクティーができあがり、甘い香りが漂ってきた。
私は、楽しみにしてくれているおばあちゃまを喜ばせるため、ピアノの鍵盤蓋を開け、椅子の高さを調節して腰を下ろした。

先生も、最初の頃よりは良くなったと言ってくれたし……。
想いをこめて、おばあちゃまに捧げたい。

ひとつひとつ、慈しみながら鍵盤に触れていく。
甘く、強く、優しく……。
先生に教えてもらったこと、全てを。

弾き終えると、晴々とした気持ちになった。
ピアニストのようにピアノの前で一礼をして、おばあちゃまが座っているテーブルへと急ぐ。

おばあちゃまは、目に涙を浮かべていた。


「あら……いけないわね。年を取ると、涙が出ちゃって。すごくいい演奏だったわ。更紗ちゃん。大きくなったわね」
「おばあちゃま……」

おばあちゃまは、私の手を取り、両手で握って、「ありがとう」と繰り返した。
私なんかの演奏で、感動してくれるなんて……。

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