この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
臥龍の珠
第2章 梁父の吟
 翌朝、庵の周囲は深い霧に包まれていた。田畑や森も、白く霞んで何も見えない。ただ甲高い鳥の声だけが、静けさの中に響いていた。

「おはようございます」

 珠が目覚めると、亮は既に身繕いを終えていた。慌てて起き上がるが、亮がそっと押し止めた。

「お疲れだったのでしょう。既に朝餉の支度も整いました。まずは皆で食事にいたしましょう。この家の細々(こまごま)したことは、食事の後にお教えします」
「申し訳ありません……」

 気恥ずかしさで珠は頬を赤く染めた。もう黄承諾彦の娘ではなく、諸葛亮の妻なのだ。使用人にかしずかれて過ごすのではなく、諸葛兄弟と共に働かねばならない。

「霧が晴れたら森の中もご案内しましょう。緑を身体に感じながら散策をするのも、なかなか楽しいものですよ」
「はい……」

 手早く髪を結い上げ、衣服を替える。夫婦に均を交えた三人で囲む食卓は、質素ながらも充実したものだった。

「ごちそうさまでした。早速この家のことを色々教えていただけますか?」
「わかりました」

 元来人懐こい性格の珠が、諸葛兄弟と馴染むのに、それほど時間はかからなかった。
/41ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ