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第12章 敦の遍歴〜愛欲生活に溺れる男女

敦は走った。

そうすると、美咲にあった頃からの美咲との生活が脳裏をよぎった。


『敦さん、大好きです・・・。初めてが敦さんで、幸せです。』

純粋で真面目で一途で・・・。

かわいいんだ。でも・・・恵梨香さんのことが・・・。

家に着いた。


『わあ！敦さん！早かったのね。』


「あ、ああ。あのね、美咲。」


『なあに？』


「俺、サイテーなんだ。好きな人ができた。」


『え？なにいってるの？いつも美咲のこと好きって・・・。』


「半月前に知り合ったんだ。どんどん惹かれてしまって、そばにいたくなった。」


『一番がその人で、私二番でもいいからそばにいてよ。』


「それは浮気だろ？それができないから話してるんだ。すまない。美咲が、今でも好きだけど、恋愛じゃないんだ。」

ものすごい沈黙。


『・・・わかったわ、一生の傷ではないわ。思い出よ。最高に好きでした。』

泣いた。

美咲！手が伸びるのをこらえた。

「荷物、明日いないうちに運んでポストに鍵いれとくから。」

初めて別の部屋で寝た。すすり泣く声が朝まで響いた。