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第6章 子迷 章6第




理性が、ギリギリの所で繋ぎ止められている。



2年間溜まりに溜まった気持ちと感情。



手が震えているのが分かる。




「っ……………」







体を引き寄せて、



そして、きつく抱き締めて…



頬を流れる涙を拭って…



「お前には俺がいる」と伝えて…



その唇に触れて…──────




そう出来たら…




いや、



そうしたくて仕方がない─────





暴れる欲の対処に困っていると、桜は少し口角を上げて、再び「ん……」と声を漏らした。



「──────…」




その緩い笑みを見て、



伸ばしていた手が止まった。






「はあ〜……」



溜め息をついた俺はそのまま伸ばしていた手でブランケットを掴む。



そして、少し上に引っ張って、そのはだけそうな胸元を覆った。



ったくっ…安心しきった顔しやがってっ……




「どんな拷問だよっ………」




片手で顔を覆って、何とか理性を取り戻す。


まじで危なかった…



そう心で呟きながら、俺は何とかその場から離れてその日の用意を始めた。




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