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キミを愛シテ溺れてる
第5章 *キミを愛シテ溺れてる 3
「すぐ泣くし、その顔ムカつく。なんであたしと同じ高校を選んで同じクラスにいるのよ。うざいからさっさと消えろって言ってるでしょ!」
罵声を浴びせ慣れている感じがするから何度も言われていたと考えられる。
告白しても風子の元気がなかった原因はこれだったんだろう。
ずっと傷ついて、ひとりで泣いて、悩んでいたに違いない。
腹の虫が収まらない俺は隠れているのをやめて、風子の前に出て女を睨みつけた。
すると女は驚いてから困っている顔つきに変えた。
「あ、中学が同じだった先輩ですよね。実はこの子に財布を盗まれたんです。返してって言っても返してくれないんですよ。助けてください」
弱い者に罪を擦り付けて自分の罪を認めないこういう女は見ていて特にイライラする。
その気持ちを一先ず抑えて、俺は笑顔でスマホを取り出した。