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キミを愛シテ溺れてる
第1章 *キミを愛シテ溺れてる 1

電車に乗って行き、アパートに到着してインターホンを押すとすぐにドアを開けてもらえた。

「よく来たな。とにかくあがれ」

目つきがきつく、赤みがある茶色で癖のない髪。
身長は俺より一円玉くらい大きい気がするから百八十センチはあると思う。

クールな性格をしているけど、女には特別優しくてよくモテる。

それが移動している間もずっと泣きっぱなしだった風子の今の彼氏。


「うん、お邪魔するよ。相変わらず足の踏み場がないほど部屋が汚いね」

「おまえはサラッと酷いこと言う時あるよな。大体、掃除する暇がないから散らかるのは仕方ねえんだよ」


「彼女が来るなら足の踏み場は作っていて欲しいよね、乙羽さん」

「ひっぐ……。うぅっ……、っ……」


掃除をしないと言っている割には整理整頓されている所もある。

ゴミ屋敷にならずに済んでいるのは、他の誰かが片付けているからなんだろう。


その誰かが風子だけならいいんだけど……、とは素直に思えない俺がいた。

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