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キミを愛シテ溺れてる
第13章 ひと時の青春と禁断の恋



声を掛けてみると体を起こしてゴシゴシと目をこすって泣いているのを隠し、大地くんに笑顔を向けてくる。


「あれ……、大地……。何か用事あった?また今日も誰かに嫌なことでも言われたの?」


その笑顔は無理矢理作っていて、廊下の照明から差し込む微かな光で目元が腫れているのが分かった。

いつも明るくてつらい顔を一切見せなかったから涙で濡れた顔は初めて見る。


「お姉ちゃんこそ最近元気がないと思うけど……。僕だって話を聞くよ」


「大地の方が元気ないじゃん」


学校で悪口を言われて落ち込んでいたというよりも、お姉さんの元気がないことの方がずっとずっと気になっていた大地くん。


こんな時、どう慰めればいいのか分からない。


女の子とは普通に話すものの、泣いている時は遠くから見ているだけだった。

恋愛相談を受けることもなかったし、ましてや付き合ったこともない。


とりあえずお姉さんの隣に座り、顔を覗いて素直に訊ねてみることにした。


「どうやったらお姉ちゃんのこと元気にできる?晩御飯を作ればいいかな?」


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