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ずっと傍に……
第19章 哀しみの中で…
「陽葵っ!!陽葵っ!!」
私の名前を呼ぶママとパパの声が聞こえても、ただ白い天井を見つめていた。
話すのも億劫で、自然と瞳を閉じる…
「意識は戻ったので大丈夫でしょう…陽葵くん…陽葵くん…」
私を呼ぶ、学先生…
「学…先生…」
「ここがどこだか分かるかい?」
学先生の言葉に、ここがどこだか考え、そして記憶を辿った。
記憶を辿り思いだすのは友紀也との別れ。
志保さんの為に、私を傷つける言葉を平気で紡ぎ、愛情の欠片さえ感じさせない冷たい瞳を思いだし、涙が一粒…また流れ落ちる。
全てが終わった…
もう私に残されたモノなんて何一つない…
友紀也がいない人生なんて、生きていく意味さえない…
「友紀也と話をした後に公園で倒れたと聞いたよ…とりあえず、今は何も考えずにゆっくり眠りなさい…大丈夫…みんな陽葵くんの傍にいるから安心して眠りなさい」
学先生は穏やかな口調で、私の髪の毛を撫でながら言う。
だけど、何が大丈夫なのか分からない。
友紀也が私から離れていったというのに何が大丈夫で何が安心なのか…私には分からなかった…
身体が重くて、疲れたよ…
このまま消えて無くなりたいよ…