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ずっと傍に……
第25章 約束…
「蒼…ありがとう…大切な友達…失わずにすんでよかった…」
「本当に陽葵って馬鹿?弟に心配かけさせるなって…ひと段落したならお昼食べに行こうぜ!!」
素直にお礼を言うと、何もなかったかのように髪の毛をぐしゃぐしゃと荒らして立ち上がった。
お昼を食べに行こうと言われて素直に頷けなかった。
外に出るのは怖い…
あんな視線をまた浴びるのかと思うと苦笑いするしかなかった。
「どうした??食欲ないの?」
「そうじゃないけど…」
「だったら行こうぜ!バイト代出たばかりだからおごってやるよ」
急かされる私はとりあえず寝室に向かって、ベッドに座っているユキに抱きついた。
「どうしたんですか?」
少し心配そうな声。
その声に泣き出してしまいそうになる。
「蒼がランチに行こうって…だけど外に出たくない…あの視線が怖い…」
正直に話すと、優しく髪を撫でてくれる。
もうしばらくはユキとふたりの世界の中に浸かっていたい。
ユキの腕の中だったら怖いものは何もないから。