この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
もう私、生徒じゃない
第5章 優しい手
そっと労わるように差し出された手に
縋るように両手を絡ませ引き上げてもらう。
お礼を言おうにもうまく動かない唇と
立つことはできたもののガクガクと震え
使い物にならない足。
そしてまだ離れていない手。
テンパった頭では処理しきれなくて
一向に動き出せない。
そんな私を安心させるように
先生は「おいで」と優しく言って
私を1階の休息スペースに導いた。
途中、私が本来行こうとしていた
自販機の前で足を止め
デニムの尻ポケットから財布を出す。
片手は私のせいで塞がっていて
それでもその手を緩めることなく
片手で器用に1000円を取り出し、
暖かいミルクティーを2つ購入する。
財布を元の位置に仕舞い
お釣りをデニムの前ポケットにそのまま突っ込む。
そしてその手でペットボトルの蓋の部分を
指と指の間で挟むようにして2本とも取り出す。
その間も私と繋がれた手は離さないでいてくれた。
縋るように両手を絡ませ引き上げてもらう。
お礼を言おうにもうまく動かない唇と
立つことはできたもののガクガクと震え
使い物にならない足。
そしてまだ離れていない手。
テンパった頭では処理しきれなくて
一向に動き出せない。
そんな私を安心させるように
先生は「おいで」と優しく言って
私を1階の休息スペースに導いた。
途中、私が本来行こうとしていた
自販機の前で足を止め
デニムの尻ポケットから財布を出す。
片手は私のせいで塞がっていて
それでもその手を緩めることなく
片手で器用に1000円を取り出し、
暖かいミルクティーを2つ購入する。
財布を元の位置に仕舞い
お釣りをデニムの前ポケットにそのまま突っ込む。
そしてその手でペットボトルの蓋の部分を
指と指の間で挟むようにして2本とも取り出す。
その間も私と繋がれた手は離さないでいてくれた。