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籠鳥 ~溺愛~
第3章
「は、はあ――!?」
(な、何言ってるのこの人ってば!?」
「はあ?じゃない。私がこんなに手間暇かけて育てたのに、横からほかの男にかっさわれるなんて、ありえない」
鏡哉は至極真面目な表情でそう言い捨てる。
(そ、育てたって……)
「っていうか、は、離してください!」
美冬は我に返りじたばたと鏡哉の膝の上で暴れだす。
「美冬ちゃんが誰とも付き合わないって言うまで、離さない」
鏡哉はそう言うと、美冬の上半身をギュッと抱えなおした。
お互いの薄い夜着を通して鏡哉の熱が美冬に密着する。
広い肩が頬に当たって妙に熱くなる。
鏡哉の胸に密着した腕に、規則正しいトクトクという鼓動が伝わる。
(は、恥ずかしい――!!)
美冬の鼓動はドクドクとうるさいくらい加速していく。
「つ、付き合いませんから! 誰とも付き合ったりしませんから、離してくださいっ!!」
叫ぶようにそう懇願した美冬に、鏡哉の腕の力が弱まった。
「よく出来ました」
鏡哉は今度は美冬の額にチュッとキスを落とすと、少し名残惜しそうに美冬を解放した。
美冬は鏡哉から離れ、おでこを両手で押さえて目の前に立つ。
その美冬を見た鏡哉がくすりと意地悪そうに笑った。
「美冬ちゃん、真っ赤。可愛い」
「き、鏡哉さんのイジワルっ!! もう寝ますっ! おやすみなさい!!」
美冬はさらに赤くなりながらそう言い捨てると、自分の部屋に逃げ込んだ。
後ろからはくすくすと楽しそうな含み笑いが聞こえていた。
(か、からかってる……鏡哉さん、絶対私をからかって楽しんでる!)
その夜以降、鏡哉はなにかと美冬にキスをするようになった。
美冬も隙を作らないよう気を付けているのだが、いかんせんいつも一緒にいるのだ、どうしても隙ができてしまう。
(まあ、唇には絶対してこないから、私のファーストキスは死守できているんだけれど――)
チュ。
(ま、またされた……)
朝食の準備をしていた美冬の後ろから、鏡哉が首筋にキスしたのだ。
一瞬包丁を持ったまま振り返ってやろうかと思うが、思い直し包丁を置いて振り返る。
「鏡哉さん! 駄目ですったら」
「セーラーにエプロン姿がかわいくて可愛くて」