この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
籠鳥 ~溺愛~
第6章       

「駄目だ。学校に電話しておくから」

 そう言って鏡哉が美冬から手を放した途端、美冬はぐらりと体が傾くのを感じた。

「鏡哉さ――」

 どんどん目の前が真っ暗になっていく。

「――ちゃん!?」

 鏡哉の声が遠くに聞こえる。

 そうして美冬は鏡哉の目の前で倒れてしまった。







 目の前で美冬が崩れ落ちていく。

 鏡哉はとっさにその体を受け止めて顔を覗き込んだが、美冬は意識を失っているようだった。

「美冬ちゃん!?」

 真っ青な頬をぱちぱちと叩いてみるが意識を取り戻す兆しがない。

 鏡哉は美冬を抱き上げると一番手近な自分の寝室に運び込んだ。

 キングサイズのベッドに横たえると急いでリビングにある救急箱から体温計を持って戻った。

 紺色のスカーフを解いて、一瞬躊躇したがセーラーの襟を解く。

 露わになった白い肌が眩しかったがなるべく見ないようにして、脇に体温計を挟んだ。

 すぐにピピピと鳴り体温計を抜くと、38度も熱があった。

 一緒に暮らしていて知ったのだが、美冬は平均体温が低く35度台だ。

 その美冬にとって38度というのはとてつもなくしんどいのではないかと、鏡哉は焦る。

 時計を確認するとまだ6時だった。

 鏡哉は携帯電話を取出し高柳に医者の手配を指示すると、困惑して立ち尽くした。

(な、何をすればいいんだ?)

 産まれた時から使用人に傅(かしず)かれ、当たり前だが他人の看病などしたことがない。

「と、とにかく熱を下げよう」

 先ほどの救急箱の中に冷えピタが入っていることを思い出し、とって戻ると額に張る。

「次は着替えをさせて」

 美冬の部屋に行きクローゼットからネグリジェ型の夜着を取り出し戻る。

「ごめん、美冬ちゃん。着替えさすだけだから」

 鏡哉は口頭で詫びを入れると、美冬のセーラーを脱がしにかかる。

 上半身を起こして上を脱がすと、キャミソールとブラだけになる。

(ブラ……キツイよなあ)

 少し罪悪感に苛まれながらキャミソールの上から器用にホックをはずす。

 悲しいかなこういう時に手間取らないのは、大学時代に女性関係が派手だった所以(ゆえん)だ。

/188ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ