この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
婚約者の帰還(くすくす姫後日談・その1)
第4章 復習と上書き
「ん?どうした?」
なぜか声を上げたスグリ姫に、サクナは何の気なしに尋ねました。すると姫は、はっとしたようにこちらを見たあと、真っ赤になって、ぱっと顔を伏せました。
「なんでもないっ、大丈夫っ」
どう見てもなんでもなくなさそうな姫の様子に、サクナは周りを見回しました。

「…ああ。」
姫が顔を伏せる前の視線のちょうど先には、姫の鏡台がありました。

「…あれに映ってんのが、見えたのか?」
この位置に座ることは滅多にありませんが、今日は「復習」するために都合の良い、ここに座っていたのです。
思わぬ自分の様子をふいに見てしまい、姫が恥ずかしがっている…のかと思いましたが、それにしては態度が不自然です。

「…もしかして」
そう言っただけなのに、スグリ姫はサクナの腕の中で、びくっと体を震わせました。

「これも、誰かと、ヤッたのか?」
「…っ!!」
耳元で囁くと、姫は体を固くして、真っ赤になった顔を背けました。それから言葉で応えずに、頭をふるふる振りましたが、それで納得するような相手ではありません。

「…お前は、ほんっとに、嘘が吐けねえな…」
部屋を見回すと、日が暮れてきているのが分かりました。鏡に像がはっきり映る時間は、過ぎています。

「もう暗くなるし、今日はお前の言うこと聞くって約束したしな。」
サクナは姫の髪に唇を付けて、言いました。
「…ちょっと癪だが、これの上書きは、今度シような。」
「っ!」
その言葉に反応してしまったスグリ姫は、「お前の望みを全て叶える、暗くても出来る別の上書き」を施され、婚約者の無事の帰りを祝う晩餐を欠席する羽目に陥ります。…が。

それはまた、別のお話。
/14ページ
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白いエモアイコン:共感したエモアイコン:なごんだ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ