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陽向の恋
第6章 六

「杉本さん達に、今晩風俗街行くから俺も来いって誘われたんだ」

「……行くの?」

 陽向の言葉が気になって、チラッと陽向の方を見る。拗ねたように陽向が話して、

「行かないよ……俺の部屋、夜は誰もいないし……」

 部屋の鍵を渡してくると、無表情になったが。

「……何これ?」

「だから、皆風俗街に行くから、俺以外誰もいないんだって」

「で……?」

「来い」

「鯉……?」

「夜中、部屋に来い」

 呆然とする私を冷たく睨んで、陽向が命令するように告げる。それにすぐ反論しようとするも、

「来なかったら、俺が行く」

 そのまま冷淡に話されて、また無表情になった。……何だこいつは。そんな、部屋に行けるわけないでしょ……社内旅行だって言ってるのに。

「後、浴衣姿で旅館うろついちゃダメだよ」

「えっ?何で?」

「おっぱい戦争が勃発するからでしょうよ!」

 陽向から注意されて不思議に思ったが、勢いよく答えられて冷や汗を滲ませた。さっき課長の前で着たなんていえない。可愛いって褒められたなんて、言えない。

「分かった……」

 ドキドキしながら陽向から離れようとしつつ、陽向の方を向いて座る。と、ニットを捲られ、腹部に生ぬるい感触が走り、体を強張らせた。

「おぉい!ちょっと何してんの……!」

 そう叫ぶも、陽向は腹部から胸へと舌を滑らせ、下着を下へずらし、左胸の乳首を吸い出す。

「あっ……」

 ここまで来てもおっぱいなのか……。私はすぐに諦めて、両手を後ろへついて座ったまま体から力を抜いた。

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