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第1章 とつぜんの脅迫

野々宮さくらは26歳の大学院研究生である。
アメリカ人の父と日本人の母をもついわゆるハーフで、
透き通るような白い肌、美しい栗色の髪、長いまつげにぱっちりとした瞳をいう
ハーフ顔の定番をいくような顔立ちの美人だが、
本人は大学院での研究に没頭し、自分がいかに美しいと周囲から思われているか
学生のころは多少は熱中した恋愛にも距離を置き、
研究生活に没頭していた。


彼女が籍を置く大学院は、百合丘女子大学付属大学院という都心からは少し離れた場所だが
広大なキャンパスを持ち女子大としてはレベルの高い大学で
研究に没頭するには最良の環境であり
両親は現在アメリカで生活をしているので、都心よりは家賃が安いので
一人暮らしをする上でも最良な環境であった。


専攻は国際政治学でもともと語学堪能であったさくらは
アメリカの大学院で学び、研究員としての待遇の良さからこの大学で研究員として
学ぶことを選んだのである。　
昨年執筆した論文の評価がよく教授からも来年は助手としての勤務を
ほぼ約束できそうだといわれており、ますます研究に没頭するさくらであった。