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僕の彩芽
第10章 十

「出ていくなんて、嫌です!俺だって……俺だって……秋人さんを癒せます!」

「癒す?どうやって?」

「それは……」

 まさかキスするなんて言わないでくれよ……。免疫ないから、目の前で男同士のキスされた日には気絶するよ……。そうドキドキしながら、私は緊張して強張った豪の顔を見つめた。そのまま豪が口を開くと――

「か、体でっ!」

 気絶しそうになった……。マジか。やめてくれ。今、私の前でだけはやめてくれ!

切に願いながら、眩暈がする頭をどうにか冷静に保った。

「体でって、お前男だろーが。ポチみたいに女なら話は別だ。俺に男を抱く趣味はねぇよ」

「あ、彩芽だと思ってくれれば良いじゃないですか!それグッドアイディア!」

「ポチだと思う?」

 いや、バットアイディアだろ!それぇぇぇ!

「豪!何言い出すの!」

「うるせぇ!黙っとけ!」

 慌てながら豪へ言うと、怒りながら豪が此方へ近付いてくる。

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