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僕の彩芽
第11章 十一

* * *

 そのまま店の女子トイレの個室へ入り、ドアを閉めようとして、異変に気付いた。

 あれ?ドアが閉まらない。……っていうか、ドアに足が!誰かの足が挟まってる!男物のローファ……誰?!

「っ……?」

 ゆっくりとローファから視線を上げていくと、トイレの前に立っている人物と目が合って、息を飲んだ。

「龍生さん……?どうしたんですか?!」

「彩芽ちゃん。俺、キミが好きだって言ったよね?あの返事を聞かせてくれない?」

「えっ?!今此処でですか?!此処女子トイレですよ?!」

「知ってるよ。彩芽ちゃんと二人きりになりたかったんだ」

「ちょっと!」

 強引にドアを開けられ、個室トイレの中へ龍生さんが入ってくると、背筋を凍り付かせた。

 二人きりになりたかったからって、女子トイレまで普通追い掛けてくるか?!変態でしょ!

「龍生さん!出ていって下さいよ!人を呼びますよ?!」

「良いよ。呼んで。それぐらいの覚悟があるから。彩芽ちゃんの事を幸せにしたいんだ……」

 龍生さんはドアを閉めて鍵を掛けると、そのまま早急に私の唇へ口付けた。

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