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僕の彩芽
第7章 七

「どういうつもり?お金貸すなんて言い出して!」

「俺は秋人さんが好きだ。だからお前がいると邪魔なんだよ。このまま部屋から出て行ってくれれば、秋人さんは俺のもんだ!」

 妄想が激しい野郎なのか。目をうっとりとさせて、豪はソファの上のクッションをぎゅっと抱き締めた。

「……そういうことか」

 どうしたら自分のものになるって自信が沸いてくるんだろう。ま……良いや。お金を貸して貰えるなら、こんなにラッキーなことはない!

「豪、500万貸して!」

「それ秋人さんに渡して部屋から出ていけよ?」

「うん!」

「よし。じゃあ今から用意してくるわ。ちょっと待っとけ」

 牛乳を持ったまま喜ぶ私へ豪は言うと、クッションをソファに置いて立ち上がる。そして玄関へ歩いて行った。

「……や、やったぁぁぁ!」

 秋人さんのペットから解放される!自由になれる!短い間だったけど苦しかった……。

「うう……」

 今日まで2日間の事を思い出し、思わず私はキッチンに立ったまま泣いていた。――それから約10分後、銀行でお金を下ろして来た豪は、約束通り私に500万もの大金を渡した。

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