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僕の彩芽
第9章 九

「豪も一緒に行きましょう!」

「豪も?そうだな。皆で行くか」

「はいっ!」

「周りにも気を使えて良い奴だな、ポチは」

 安堵しながら返事をすると、頭を撫でられて冷や汗を滲ませる。

「……」

 何を言っても褒められる!あんなに怖かった人が!気持ち悪いよ!ホント急にどうしたんだよぉぉぉ!

「じゃあ行ってくるな、ポチ」

「はい……行ってらっしゃい」

 私から離れて秋人さんがドアへ向かい歩き始めると、私は呆然としながら片手を振る。だが、すぐ此方を振り向いた秋人さんから唇へ口付けられると、頭が真っ白になった。

「行ってきますのチュー」

「……」

 ほっぺじゃねぇのかよ――

 末期だ……。秋人さん、病院へ行ってください……。頭のCT撮って貰いましょう。

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